肛門外科について

痔の日帰り手術を行っております。

肛門外科では、痔の診察、治療を専門的に行います。痔には、いぼ痔(内痔核、外痔核)、あな痔(痔瘻、肛門周囲膿瘍)、切れ痔(裂孔)などがあります。直腸診などを行って、痔の診断、治療をしていきます。排便時に出血を認める方には、大腸癌、直腸癌の可能性もあり、痔の治療に加えて大腸カメラ検査を行う場合があります。
痔疾患の中で一番頻度の高い内痔核の治療では、投薬治療、ジオン注射(内痔核硬化療法)、痔核結紮切除などを行っております。
当院で行う手術はいずれも日帰り手術になります。痔の患者様においては、排便習慣の管理がとても重要であり、その指導も行っております。

痔の日帰り手術

痔には痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔瘻(あな痔、肛門周囲膿瘍)の3つがあります。
当院では、いずれの痔に対しても日帰り手術を行っております。

1.痔核(いぼ痔)

痔核はできる場所によって、内痔核と外痔核に分けられます。内痔核は肛門の内側、外痔核は肛門の外側にできるものです。内痔核が大きくなると外痔核を伴うようになります。内痔核の一般的な手術適応は、排便時、毎回脱肛して指で戻すようになった患者さんです。外痔核が腫れて、強い痛みを伴う血栓性外痔核をきたした場合も血栓摘出術の適応です。

当院では、内痔核に対しては、まず保存的治療を行います。これで効果がなければ、内痔核に対してはジオン注射(ALTA治療)を、内外痔核に対してはジオン注射(ALTA治療)+結紮切除術を行います。また、ジオン注射(ALTA治療)が難しい妊婦さんなどにはゴム輪結紮療法を行います。血栓性外痔核に対しては血栓摘出術を行います。

2.裂肛

肛門の出口付近が切れて起きるのが裂肛です。特に硬い便が出た後に起こることが多いです。これを繰り返していると肛門狭窄が起きます。

痔核と同様にまずは保存的治療を行い、それでも良くならない場合には側方内括約筋切開術(LSIS)を行います。

3.痔瘻

痔瘻は直腸と肛門近くの皮膚の間に膿がたまり、管が出来てしまう状態を言います。膿が沢山溜まった状態を肛門周囲膿瘍といい、痛みと発熱があります。これに対しては切開排膿術を行います。その後、膿が溜まっていた部分にトンネルができて痔瘻となります。

肛門周囲膿瘍に対しては切開排膿術を行います。痔瘻は単純なものと複雑なものとに分けられ、当院では、単純な痔瘻については、タイミングを見計らい、シートン法を行っております。複雑な痔瘻の場合には近隣の病院を御紹介致します。

痔の日帰り手術の安全性と確実性

今までは、痔の手術は、術後に痛みや出血があるので、入院で行ってきました。しかしながら、最近は、治療方法、とくにジオン注射(ALTA療法)の普及に伴い、日帰りで手術を行うことが増えてきました。ジオン注射(ALTA治療)の特徴は、注射するだけなので、“切らずに直す”ことでした。当院では、より痔の再発を抑えるべく、痔の内側にジオン注射(ALTA治療)を行うのに加えて、痛みは多少ありますが、あえて痔の外側の切除を行っております。

手術の流れ

手術当日は絶食で来院していただきます。

手術の際は、局所麻酔に加えて鎮痛剤の投与を行います。手術にかかる時間は10分から30分程度です。手術後は2時間程度休憩していただきます。


手術翌日か翌々日に来院していただきます。

そこで問題がなければ、その後は2週間~3週間ごとに通院して経過を見ていきます。


手術翌日から通常に近い日常生活を送ることが可能です。

硬い便が出ないよう、また、いきまなくても便が出るように排便を管理することが重要です。痔の薬に加えて、適宜下剤を処方致します。
また、仕事については手術の翌々日ぐらいから復帰できます。ただしこれは一般的なデスクワークの場合で、力仕事に関しては、手術後数週間は避けたほうが良いです。

痔の手術は、程度によって入院が必要な手術の場合もございます。
入院手術が必要と判断した場合には、近隣の痔の手術に対応をした病院をご紹介させていただくか、痔専門の病院をご紹介させて頂きます。日帰り手術が可能なのか、もしくは入院が必要な痔の手術なのかを、しっかりと見極めを致しますのでご安心ください。